世界の映画賞を席巻しまくった話題作『パラサイト半地下の家族』を視聴しました。
色んな映画賞を受賞した事で話題になった本作ですが、ぶっちゃけタイトルを見ただけではどんな内容の映画なのかイマイチピンとこない人も多いのではないでしょうか?
そもそも『半地下』って何だ?って所から語る必要があると思うので、そこら辺も含めて本作の魅力を解説していきます。
パラサイト半地下の家族はどんな映画?
劇場公開日 2020年1月10日
主要スタッフ・キャスト
- 監督:ポン・ジュノ
- キム・ギテク:ソン・ガンホ
- パク・ドンイク:イ・ソンギュン
- パク・ヨンギョ:チョ・ヨジョン
- キム・ギウ:チェ・ウシク
- キム・ギジョン:パク・ソダム
- ムングァン:イ・ジョンウン
- キム・チュンスク:チャン・ヘジン
- パク・ダヘ:チョン・ジソ
- パク・ダソン:チョン・ヒョンジュン
- ミニョク:パク・ソジュン
ポン・ジュノ監督は、『殺人の追憶』や『グエムル-漢江の怪物-』等を手掛けた事で有名な方です。河原で大暴れする「グエムル」の映像は今でも印象深いです。
アカデミー賞4部門受賞の凄い映画
第92回アカデミー賞4部門(作品賞、監督賞、脚本、国際長編映画賞)の他、第77回ゴールデングローブ賞、第72回カンヌ国際映画祭も受賞したとにかくすごい映画!
アカデミー賞で外国語作品が作品賞をとるのはこれが初でもあり、色んな意味で歴史的な偉業を達成した映画でもあります。
賞の名前を挙げられてもイマイチピンとこないとは思いますが、とにかく世界中の人が熱狂・注目した映画である事は間違いありません。
あらすじ
全てが順風満帆に運ぶと思った矢先、キム一家はパク家に隠された驚愕の事実を知る事になります。
パク家の人も知らないパク家に隠された秘密とは一体何なのか?それによって引き起こされる悲劇とは一体何なのか?物語は衝撃のラストへと向かっていきます。
感想・考察・評価
韓国に実際に存在する住居スタイル『半地下』って何だ?
1970年代、南北朝鮮の対立問題によってテロ行為が激化していた背景を受け、低層住宅には地下室を設けるという建築基準法の改定が施行されました(いわゆる防空壕)。
当時は賃貸運用する事は出来なかったようですが、1980年代以降になると、住宅不足も相まって合法化されるという運びになったようです。
こうして生まれたのが『半地下』という住宅スタイル。…って事らしいです。
『半地下』=『貧困』というイメージは現実に存在するらしく、劇中での描写自体は割と現実に則したもののようです。
豹変する映画!中盤以降一気に飲まれる内容
序盤の展開は完全にコメディー映画のそれなんですが、中盤を過ぎたあたりから一気に豹変していくのが本作最大の注目ポイント。
パク家の人々がキャンプで留守にした夜。誰も居ないはずの家屋でドンチャン騒ぎするキム家の人々。そして、そこに訪れる一人の来訪者…。
このシーン以降は本当に息つく暇もない位の情報量で、エンドまで一気に走り切ってしまいます。
さっきまで見ていた笑える面白い作品が、急に笑えなくなるという衝撃。これは映画を沢山見ている人でも中々体験できない部類の豹変具合だと思います。
しかも、これ程の急展開でありながら、映画としての違和感を一切感じないってのがまたまた凄い。
「…できる事なら記憶を消してもう一回観たい。」と思わせる程の面白さを秘めた作品でした。
食事シーンが印象的
格差社会を描いた作品だけあって、衣食住における貧富の差はとても印象的に描かれています。
中でも、サーロインステーキ入りのジャージャー麺は印象的で、「いくら金持ちでもそんなもんいれんやろー(笑)」というツッコミを思わず入れてしまう迷シーンでした。
『貧』を描くときはトコトン下げ、『富』を描くときはトコトン上げる。
本作には、そんな貧富表現における規則性のようなものが存在していたように思えます。
一見コミカルなシーンでも、ふと考えてみると残酷だったり、卑劣だったりする。それこそが本作が非喜劇と呼ばれる最大の理由なのではないでしょうか?
結局、コメディーなの?サスペンススリラーなの?
この映画をコメディーと感じるか、サスペンススリラーと感じるかは、結局、受け手次第。
私自身は、序盤・中盤まではコメディー、終盤はサスペンススリラーという受け取り方をしましたが、観る人の境遇によって印象は大きく異なると思います。
実際に『半地下』に住んでいる人からの感想や、超富裕層の人の感想も見てみたい所です。
アカデミー賞をとるのも納得の出来
他のノミネート作も相当な名作揃いだったので、それを差し置いての受賞は本当に凄いッ!
割と好みが出る作風風ではありますが、観れば納得の出来だと思います。
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