【アニメ映画「若おかみは小学生!」あらすじ&感想】児童文学と侮るなかれ!グローリー・水領様最強!

以前から気になっていた作品『若おかみは小学生!』(劇場版)が、U-NEXTの見放題ラインナップに追加されていたので視聴しました。

ユーザー評価が滅茶苦茶高い作品である事は把握していましたが、やはり”児童文学=メインターゲットは子供”という意識が働いており、視聴するのが後回しになっていたわけですが…。

「いやーこれはやっちゃいましたね…。」

良い物はジャンルなんて関係なく良い物であるという事実を体現したような作品。これは、年齢・性別を問わず楽しめる超名作です。

※原作小説・テレビアニメ版は未視聴でのレビュー記事です。

若おかみは小学生!

【公式】『若おかみは小学生!』9.21(金)公開/ショート予告

劇場公開日2018年9/21日

主要キャスト

  • おっこ(関織子):小林星蘭
  • 真月(秋野真月):水樹奈々
  • ウリ坊(立売誠):松田颯水
  • 美陽(秋野美陽):遠藤璃菜
  • 鈴鬼:小桜エツコ
  • 関峰子(おばあちゃん):一龍斎春水
  • エツ子さん(田島エツ子):一龍斎貞友
  • 康さん(蓑田康之介):てらそままさき
  • 関峰子(少女時代):花澤香菜
  • 木瀬寅子:折笠富美子
  • 監督:高坂希太郎
  • 原作:令丈ヒロ子、亜沙美
  • アニメーション制作:マッドハウス

第42回 日本アカデミー賞「優秀アニメーション作品賞」受賞作

累計発行部数300万部越えの超人気児童文学作品「若おかみは小学生!」を劇場アニメ化した作品で、第42回 日本アカデミー賞「優秀アニメーション作品賞」等、数多の受賞経歴を持つ本作。

賞目線での評価の高さは勿論、ユーザーレビューが軒並み高い事でも有名で、老若男女問わず楽しめる作品に仕上がっています。

手掛けたのは、数多くのスタジオジブリ作品で作画監督を務めた高坂希太郎氏。「茄子 アンダルシアの夏」以来15年ぶりの監督作品でもあります。

あらすじ

事故で両親を亡くし、おばあちゃんが経営する温泉旅館「春の屋」に住むことになった小学生のおっこ。しかし旅館には幽霊のウリ坊も住んでいた!?おっこは彼のお願いで旅館の若おかみとして修業を始め、出会いと別れを繰り返しながら成長していく。

感想・考察・評価

人間の弱さと強さの両面を描く絶妙な心描写

人間の心の弱さと強さの両面を絶妙に描いていて、登場するキャラクターのほとんどに共感できるポイントが配置されているのが巧でした。

確かに、幽霊や鬼の子が出て来るファンタジックな部分もありますが、作中で描こうとしているのは人間の心であり、我々にとってとても身近なものばかりです。

癒しを求めて「春の屋」にやってくる一癖も二癖もあるお客様たちを、主人公『おっこ』が全力でおもてなしする中で、もてなす側である『おっこ』自身も癒されるという構造も綺麗でした。

作中で「花の湯温泉のお湯は誰も拒まない 全てを受け入れてくれる」って台詞が度々登場するのですが、正にその通りで、本作は本当に誰も拒まない作品に仕上がっています。

分かり易いが深い伏線の数々

脇を固めるキャラクターたちの設定も絶妙に絡み合っており、詳しく描かれていない部分への考察も捗る仕様なのも個人的に良かったです。

死んでから何十年もの間、誰からも気付かれずただ想い人を見守る少年。後から生まれて来た妹の頑張りを陰ながら見守り続ける姉等、幽霊側(ウリ坊,美陽)の設定がベタだけど好きでした。

特にウリ坊は、死んでからも心が成長しているのが見て取れるので、何十年もの時の中で何を考え、何を想っていたのか…とか考えだすと堪りません。

ベタだけど深い設定や伏線が本当にうまい作品です。

グローリー水領様がキャラクター的に強すぎる

本作における王子様枠である「グローリー水領」様が本当に強すぎる(意味深)。

本人も失恋による傷心を癒す為に「花の湯」を訪れているんですが、結果的に『おっこ』にとっての癒しとなってくれる救済キャラクターとして配置されていて、ビジュアル的にも物語的にも完全無敵の王子様枠として君臨しています(ポルシェ911を格好良く乗り回す超売れっ子美人占い師)。

一部のファンからは、グローリー水領様を見れるだけで1800円払う価値があると言わしめた程の人気キャラクターで、私自身も一発で骨抜きにされてしまいました。

小学生位の時って、自分より年上のお兄さん・お姉さんに憧れを抱くもんですし、マジでうめぇなぁ…(嫉妬)。

キャラクターにあった違和感のないキャスティング

俳優やお笑い芸人さんを多く起用しているキャスティングが気になる人もいるかもしれませんが、本作における声とキャラクターのハマり具合はマジでドンピシャでした。

アニメ作品における知名度重視のキャスティングが度々問題視される中で、このベストな配役は流石と言わざるを得ません。

中には、「それでもアニメや洋画の吹き替えは本職である声優さんがやるべき!」って論調もありますが、個人的にはこれ以上ない位のハマり具合でした。

一歩を踏み出す勇気をくれる作品

悲しく重い設定が根幹にある物語ではありますが、ちゃんとエンタメとして成立しているし、何よりも視聴後のカラッとした満足感が堪らない作品でした。

老若男女問わず楽しめる作品なので、家族揃って視聴するのも良いと思います。

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